Japanese
English
特集 ‘息苦しさ’への対応
肺塞栓症
Pulmonary embolism
工藤 翔二
1
Shoji Kudoh
1
1都立駒込病院呼吸器内科
pp.34-35
発行日 1991年4月15日
Published Date 1991/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900010
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ポイント
肺塞栓症は肺動脈が血栓性塞栓子によって閉塞し,血流が途絶することをいう.そのうち肺実質の出血性壊死を伴うものを肺梗塞と呼び,肺塞栓症の約10~15%に起こる.
●突然の発症.
●自覚症状では呼吸困難(90%以上),胸痛(40~60%)が多い.他に咳嗽,血痰,発汗,動悸,不安感など.
●他覚所見として多呼吸(50~70%),頻脈(50~60%)が多く,広範囲の梗塞ではショック.
●大部分は下肢の深部静脈血栓症によるが,無症状の場合も多く,背景因子が参考になる.
●胸部X線所見では肺炎様浸潤影,胸水,横隔膜挙上,肺動脈異常,心拡大など.
●血液検査では,低酸素血症が最も重要.
●心電図で右室負荷所見.
●疑いが強ければ肺シンチグラムを.確定には肺動脈造影が必要.
●疑いが強ければ,まずヘパリンを投与.診断確定後に,抗凝固療法(ヘパリン→ワーファリン)と血栓融解療法(ウロキナーゼ).
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