Dr.徳田と学ぶ 病歴と診察によるエビデンス内科診断・3
肝硬変の診断─身体所見でどこまでわかる?
徳田 安春
1
1地域医療機能推進機構(JCHO)研修センター
pp.1040-1045
発行日 2014年11月15日
Published Date 2014/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414200078
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徳田:皆さん,こんにちは.この連載では臨床疫学的アプローチを用いた診断プロセスを学んでいきます.症例に基づきながら,レジデントの皆さんとの対話形式で進めていきます.
飲酒が受け入れられる社会状況もあり,大量長期飲酒による健康問題が増えてきています.アルコールは多くの臓器に直接的,間接的な障害をきたします(表1).さまざまな健康問題だけでなく社会問題まで引き起こす大量飲酒について,臨床医は注意を払い,患者がアルコールによる問題を有していないかどうかに注意する必要があります.アルコール依存症についてのスクリーニング問診にはCAGEスコアなどがあり,広く使用されています.
今回の連載のケースでは,飲酒による直接的臓器障害のなかでも死亡率の高い肝硬変の診断について,血液・画像・病理診断法を使う前にどこまでフィジカルで迫ることができるかについてみていきます.肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれるように,臓器障害がかなり進行して初めて症状が出てきます.その意味でもフィジカルでの診断が重要となってきます.では,症例の病歴と身体所見をみてみましょう.
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