診断のポイント
肝硬変の診断のきめ手
高橋 忠雄
1
1慈恵医大内科
pp.355-356
発行日 1966年3月10日
Published Date 1966/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201213
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代償されている肝硬変の診断
肝硬変はそれほど診断が困難な疾患ではないと一般に思われている。ほかのどの病気でもそうであるように,晩期の完成した例ではたしかにそう診断に苦しむということは多くないといえよう。しかし早期の,あるいは停止型の症例では,いつも容易というわけでなく,そのことは,生前まつたく疑いを持たれなかつた肝硬変が,剖検ではじめて発見されることがしばしばある事実からもそういえると思う。したがつて,ここでは顕性黄疽,腹水,浮腫などが表面化していない,いわば"代償期"肝硬変にかぎつて話をすすめることにしよう。
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