特集 気絶するほど悩ましい―危険な失神の見分け方
【よくある失神/失神に類似する疾患】
てんかん
赤松 直樹
1
1産業医科大学神経内科
キーワード:
てんかん発作
,
失神
,
非てんかん性心因発作
Keyword:
てんかん発作
,
失神
,
非てんかん性心因発作
pp.43-45
発行日 2014年1月15日
Published Date 2014/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103084
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Case
失神とてんかん発作の鑑別が困難であった一例
患者:68歳,男性.
主訴:3回の意識消失発作.
現病歴:6か月前犬を連れて散歩に出かけた時にどこかで意識を失ったらしく,帰宅した時衣服が汚れており手足にすり傷があった.3か月前,植木の手入れをしている時に脚立から転落した.自分では転落した時のことをよく覚えていない.救急外来受診時には,身体所見に異常はなく,血液検査,胸部X線,頭部CT,心電図で異常がなかった.失神と診断され経過観察ということになった.本日,意識を失って自宅の居間で倒れているところを家人に発見された.救急受診した際には,意識は回復していた.脳波検査で左側頭部に棘波が認められ,側頭葉てんかんと診断された.
その後の経過:抗てんかん薬カルバマゼピン内服で,その後意識消失発作の再発は1年間ない.本例は,意識消失時の目撃者がなく,発作の状況確認が困難であった.脳波検査でてんかん性放電が認められ,てんかんの診断が可能となり,適切な治療が行われた.
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