特集 高齢者「主治医」事典
【多死社会と主治医】
周死期学(J1)からの視座
対本 宗訓
キーワード:
死のプロセス
,
死生観
,
補完医療
,
お迎え
,
平静の心
Keyword:
死のプロセス
,
死生観
,
補完医療
,
お迎え
,
平静の心
pp.878-880
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103003
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死のプロセスを知る
人はどうやって死んでいくのか,死ぬとき何が起こるのか,死んでどうなるのか.これらは患者さんにとって不安や苦悩の根源であるにもかかわらず,現代医学がカバーしにくい領域でもあります.死のプロセス,すなわちdyingの死についてはあまりにも何もわかっていませんし,わかっていないことがかえって不安や恐怖を増幅させるのです.死をどうとらえ,どう受け容れていくかは患者さん個人の問題であるにしても,患者さんやご家族の心の動揺に対応し寄り添っていくことは医療者としての大事な役割です.
医療者自身,死生観の涵養が必要なことは言うまでもありません.たとえば身近な人の死を経験することなどを通して,自分自身のなかにある死というものに対する感情(恐れ,嫌悪など)を意識化し,その反応の仕方を知っておくのは大切なことです.あるいは補完伝統医療(J2)や宗教文化に学ぶことで,現代医学とは違った豊かな生命観があることを知るのも有益です1, 2).
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