特集 高齢者「主治医」事典
【高齢者の生活と診療】
高齢者の睡眠指導(sleep education for senior citizens)
井原 裕
1
1濁協医科大学越谷病院こころの診療科
キーワード:
睡眠教育(sleep education)
,
高齢者(senior citizen)
,
不眠(insomnolence)
,
運動(exercise)
Keyword:
睡眠教育(sleep education)
,
高齢者(senior citizen)
,
不眠(insomnolence)
,
運動(exercise)
pp.842-844
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102992
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Case
退職後,不眠,食欲低下,倦怠感を呈した高齢男性
患者:72歳,男性.
既往歴:50歳ごろ高血糖を指摘されたことはあるが,現在まで通院・服薬はしていない.53歳時胃癌にて胃切除.
現病歴:2カ月前から不眠,食欲低下,倦怠感出現.消化器内科にて諸検査を実施したが異常を認めず,「ストレスが原因ではないか」とのことで,精神科へ診察依頼あり.
初診時所見:本人は「眠れない」とひとこと言うも,口調重く,動作も緩慢.同伴した妻によれば,もともとは午後10時に就床し,朝5時に起きて,6時過ぎには自分の経営する工場に出る勤勉な生活ぶりであった.半年前に経営権を長男に委譲.このところ,午後10時に就床しても,午前2時ごろに目が覚めてしまい,その後なかなか眠れないという.一方で日中テレビを見ながらうとうとすることも増えてきた.以前は妻と毎日2キロ程度のウォーキングをしたり,趣味の盆栽の手入れをしたりしていたが,最近はそれもしない.促されても「だるい」と言って,横になってしまうことが多いとのこと.夕食後に臥床することも多く,まどろんでしまいがちであった.
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