特集 この組み合わせに注意!日常診療で陥りやすいpitfall
【総論】
安全な薬物治療を行うために臨床医は何をすべきか
森本 剛
1
1兵庫医科大学内科学総合診療科
キーワード:
薬剤性有害事象
,
薬剤関連エラー
,
ポリファーマシー
,
薬物治療
,
コモンディジーズ
Keyword:
薬剤性有害事象
,
薬剤関連エラー
,
ポリファーマシー
,
薬物治療
,
コモンディジーズ
pp.372-375
発行日 2013年5月15日
Published Date 2013/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102833
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はじめに
日本では“処方ミス”や“投与ミス”という言葉がよく聞かれるが,薬剤使用に関する医療安全上のイベントには,薬剤関連エラー(J1)と薬剤性有害事象(J2)がある.薬剤関連エラーが全て薬剤性有害事象に繋がるわけではなく,一部の薬剤関連エラーが実際に患者の健康被害に繋がり,薬剤性有害事象となる.また,薬剤関連エラーが途中で中断されたり,患者の個人差などで実際に健康被害が発生しなかったが発生した可能性がある場合には,潜在的薬剤性有害事象となる.逆に,患者に健康被害が発生した薬剤性有害事象においても,薬剤関連エラーが関わるのは一部であり,多くはエラーのない場合が多い.薬剤の副作用についても,エラーに関連するものもあれば,エラーに関連しないものもある(図1)1).
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