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特集 心筋炎――医療と医学の最前線
心筋炎の薬物治療・非薬物治療
Medical and non-medical therapy of myocarditis
奥村 貴裕
1
Takahiro OKUMURA
1
1名古屋大学医学部附属病院重症心不全治療センター,同循環器内科
キーワード:
心筋炎
,
薬物治療
,
補助循環
,
免疫抑制療法
,
免疫調節療法
Keyword:
心筋炎
,
薬物治療
,
補助循環
,
免疫抑制療法
,
免疫調節療法
pp.983-987
発行日 2022年9月10日
Published Date 2022/9/10
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28211983
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心筋炎は,発症30日以内の急性心筋炎と30日以降の慢性心筋炎・慢性炎症性心筋症に大きく分類される.急性心筋炎のうち劇症型では,急激に血行動態が破綻し,致死的となる.強い倦怠感や胸痛,血圧低値を認める場合には,経時的な変化を確認し,劇症化に備える.心筋炎の治療の原則は極期の適切なマネジメントであり,回復までの循環管理と原疾患および心筋機能抑制に対する治療を基本とする.劇症型では悪化スピードが急速なことから,早期の確実な診断とベストタイミングを逃さない適切な治療介入が必要である.経皮的機械循環補助には,大動脈内バルーンパンピング(IABP),経皮的心肺補助装置(VA-ECMO),循環補助用心内留置型ポンプカテーテル(IMPELLA®)があり,ときに外科的開胸によるcentral ECMOも選択される.近年,継続的な左室減負荷により心筋の回復を促す効果が期待されている.巨細胞性心筋炎および好酸球性心筋炎では炎症管理目的に免疫抑制療法,免疫調節療法が行われる.リンパ球性心筋炎ではそのエビデンスは乏しい.
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