Editorial
医師として生きるためのパール
藤沼 康樹
1
1医療福祉生協連家庭医療学開発センター
pp.187
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102768
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従来の医学教育において,ほぼ無視されている領域が,「医師としてどう生きるか」といった内容である.専門家に必要な知識や技術は教えるが,どのように生活するのがよいのかということについて考える機会はほとんどない.ただ,昔から医師は自分の人生を語りたがるものである.伝統的に「旦那芸」として,随筆を書くことは医師としてのたしなみでもあった.ただ,現代では若い医師がそれらを読んで自分自身を振り返るような機会をもつことはまずないだろう.それらは,若い読者を想定していないからである.
逆に,現代の医学情報のスタイルはどちらかというと「若向き」である.雑誌メディアも,古参の一部を除けば,編集スタイルはベテラン医師を対象としているとは思えない.おそらくベテラン医師と若手医師の間の情報格差,あるいはコミュニケーション・デザインの志向性のギャップが年々大きくなってきているように思う.
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