ナマステ!ネパール 女ひとりの見てある記・1
ネパールとの出会い
秋田 智枝
pp.106-109
発行日 1983年1月1日
Published Date 1983/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919769
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なぜネパールへ
私は今,ネパールにいます.このレポートは,カトマンズにあるラリグラスというホテルの2階のベランダで書いているのです.8月15日(1982年)にネパールに着いて,けっこう忙しい日々でしたが,少し体を休めようと思い,休憩を兼ねて,軽い風に吹かれながら,原稿用紙のマス目を埋めているのです.空にはこれから雨を降らせようとしている雲が広がり,その向こうの方に山々が見え,近くに目を移せばピンクのサリーが民家の屋上から垂れ下がっています.
私とネパールとの出会いは,昨年(1982年)の2月からです.ネパールと言えばだれもがすぐにヒマラヤを思い浮かべるでしょうが,私も同じく‘山がある国らしい……’ということしか知識はありませんでした.そして,実を言えば,インドとチベットの間にある,ということすら知らなかったのです.そんな人間がなぜいまネパールにいるのかと言えば,自分でもよくわからず,まあ,人生には不思議なことはあるものなのだよ,という感じに尽きます.
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