連載 たくましく生きるネパールの人々・1【新連載】
ネパールとの出会い
馬場 新子
1
1結核予防会結核研究所
pp.232-233
発行日 1983年3月10日
Published Date 1983/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206644
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ネパール王国到着
機体が近づいていくと,わずかに赤い灯がともって,そこが飛行場だとわかった。それ程あたりは真暗闇だった。私達(同期の森川,梶原看護婦隊員と男性隊員2人)5人の乗った飛行機が,ネパールの首都カトマンドゥに着いたのは,噂通り予定時刻を2時間ばかり過ぎていて,すっかり夜になっていた。
無事着陸と同時に,乗客の中から拍手喝采が沸き起こり,機内は急に賑やかになった。大多数の欧米系の観光客とは別に,私達は任国に着いた期待や見知らぬ国に対する不安,異国に来たセンチメンタル,2年間の任務に挑む意気込みなどが入り混じって,身休に綱鉄が入ったように,しゃきっとなった。
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