特集 かゆみ大全
【困る痒みの対処法】
アトピー性皮膚炎
尾本 陽一
1
,
水谷 仁
1
1三重大学大学院医学系研究科皮膚科学
キーワード:
外因性・内因性
,
TARC
,
フィラグリン遺伝子
,
プロトピックⓇ軟膏
,
シクロスポリン
Keyword:
外因性・内因性
,
TARC
,
フィラグリン遺伝子
,
プロトピックⓇ軟膏
,
シクロスポリン
pp.135-137
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102746
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アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis:AD)は,角層のバリア異常や乾燥,特異的なアレルギー反応を伴い,慢性再発性の瘙痒を伴う皮膚疾患である.抗原特異的IgEの上昇を認める外因性(獲得型)ADが主であるが,近年,抗原特異的IgEを伴わない内因性(自然型)ADが20%前後で存在することがわかってきた(JI).ADの発症に表皮由来のサイトカインの関与が明らかになり,皮膚乾燥を防ぎ,アレルゲンを避けるだけでは皮疹は改善に乏しく,痒みを抑え,掻破による皮膚の破壊を防ぐことの重要性が再確認された.1999年免疫抑制薬タクロリムスの外用薬であるプロトピック軟膏Ⓡが発売となり,小児への適用も拡大されたことや,2008年難治性成人ADに対しシクロスポリンの内服療法が保険適用を受けたことで,ADに対する治療の選択肢は広がりを見せている.ADの評価,治療について痒みを中心に解説する.
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