特集 「…血が出たんです」―肛門・会陰部出血へのアプローチ―
【各論】
婦人科疾患
吉岡 哲也
1
1恵寿総合病院・家庭医療学センター
キーワード:
性器出血
,
内診
,
腟鏡診
,
妊娠のチェック
Keyword:
性器出血
,
内診
,
腟鏡診
,
妊娠のチェック
pp.746-748
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102624
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女性において生理以外の性器出血はよくある訴えで,common diseaseを広く担当するプライマリ・ケア医,総合医の本来の役割からいえば,ぜひこれに対処できる能力を備えるべきものと思われる.性器出血を疑った時は,原則,内診・腟鏡診が必要である.もちろん診断・処置を行うために必要なのであるが,子宮頸がん検診や性行為感染症のスクリーニングが必要でありながら受けていない女性に,それらを提供するよい機会でもある.しかし,多くの総合医は婦人科診察のトレーニングを十分に受けておらず,内診・腟鏡診が行えないのが現状ではないだろうか.また,患者としても総合医に婦人科診察をしてもらえるとは思っておらず,逆に産婦人科医以外に診察してもらうことに抵抗を感じる場合も多いのではないだろうか.
そのようなわけで,性器出血を疑った場合,自分が内診できない場合には必ず婦人科に紹介することを勧めたい.しかしながら,総合医にとってもそれなりの対処ができることが求められるし,状況によっては婦人科紹介が難しかったり,紹介しても受診するかどうか疑問が残ったりする場合も多くあると思われる.ここでは,総合医が内診をしないということを前提に,救急や一般外来でどのように性器出血に対処できるかを考察したい.
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