特集 グローバル時代のジェネラリスト
ジェネラリストに求められるグローバリゼーションへの対応
外国人労働者・在日外国人への医療
李 龍姫
1
1川崎協同病院産婦人科
キーワード:
在日外国人
,
医療通訳
,
カルチュラル・コンピテンス
Keyword:
在日外国人
,
医療通訳
,
カルチュラル・コンピテンス
pp.36-41
発行日 2012年1月15日
Published Date 2012/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102391
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Case
患者:36歳の女性.フィリピン生まれ.生来健康.
地方公務員の夫(日本人)とフィリピンで知り合い結婚,来日した.4人目の出産が当院での飛び込み分娩となり,その後関わることになった.当初,患者は日本語が片言であった.夫は「毎年夏に子どもを生んでいる」と言い,避妊している様子はなかった.5人目,6人目の妊娠時にも経済的困難と子どもの世話を理由にほとんど妊婦健診を受けず,飛び込み分娩に近い状態であった.入院中,避妊に協力してくれない夫に対して信頼がゆらぎフィリピンに帰国したいという発言もあったが,子どもたちのことを案じて思いとどまった.7人目の妊娠後期に骨盤位であることがわかり,帝王切開術を予定した際に不妊手術を提案したところ,夫婦ともに承諾された.
身近な家族のサポートがなく,社会的サポートも受けられずに孤立していたケースである.
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