構造と診断 ゼロからの診断学・20
構造と名前
岩田 健太郎
1
1神戸大学医学部感染症内科
pp.946-950
発行日 2011年11月15日
Published Date 2011/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102349
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■疾患は現象である.「もの」ではない.肺炎であれ,がんであれ,うつ病であれ,患者に生じる現象「そのもの」を疾患と呼ぶのである.
■その疾患は人間のまなざしによって恣意的に切り取られ,定義された概念である.疾患が先にあるのではない.現象を見た医療者のまなざしが「それ」を疾患と名付けるのである.名付けられた疾患は「ことば」になる.それはまさに,ソシュールが創生した構造主義そのものであると言ってよい.
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