特集 80歳からの診療スタンダードUp to Date—Silver Standard
【80歳以上の高齢者診療トピックUp to Date】
—Q2 マルチモビディティ—より複雑化するマルチモビディティへのアプローチ法は?
藤沼 康樹
1
1医療福祉生協連家庭医療学開発センター
pp.1102-1103
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201647
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◦日本におけるマルチモビディティ
マルチモビディティ(multimorbidity)とは、いくつかの慢性疾患各々が、病態生理的に関連する・しないにかかわらず併存している状態であり、診療の中心となる疾患を設定しがたい状態をいう。
たとえば、心房細動、心不全、骨粗鬆症、転倒傾向、糖尿病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、うつ状態を伴う血管性認知症が、併存するような場合である。マルチモビディティ状態では、どの科の専門家が中心となるべきかが明確になりにくく、ケアが科別に分断され、容易にポリファーマシーや予期せぬ入院などを生じやすい。
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