JIMで語ろう 緊急対談
3.11後,これからの医療を求めて―プライマリ・ケア医は今,何をすべきか
永井 友二郎
1,2
,
松村 真司
3
1永井医院
2実地医家のための会
3松村医院
pp.496-503
発行日 2011年6月15日
Published Date 2011/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102212
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マグニチュード9.0の大地震,沿岸部を襲った巨大な津波,そして原子力発電所事故.立て続けに起きた大災害に傷ついた地域で,多くの医療者はさまざまな形で,人びとを必死に支えようとしています.私たちは今,自然の大きな力と,それに引き続く災厄による影響に苦しんでいます.そして,その苦しみは被災地だけではなく,日本という国全体にまで及ぼうとしています.医療者は災害直後から,さまざまな人びとの行動に触れ,地域の現実を直接感じ取っています.日本のどこにいても,日常の診療は震災前とは異なり,多くの混乱のなかにあります.私たちの価値観さえも揺らぐなか,私たちプライマリ・ケア医はどのように生き,そしてどのような医療を提供していけばよいのでしょうか.
太平洋戦争の戦火のなか,医師として友人や同僚をいく人も失い,自ら傷つき死線をさまようという壮絶な体験の後,焼け野原の東京から医師として再出発したプライマリ・ケア医の大先輩,永井友二郎先生のご経験を伺い,私たちは何を規範として,何を目標にこれからの医療を実践していけばよいのか,改めて考えてみたいと思います.
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