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病歴
患者:70歳台,男性.主訴:血液検査異常(低Na血症).
現病歴:2~3カ月前から嘔気を伴う食欲不振が出現し,1~2週間前から黒色便を自覚,6月26日に近医受診し,消化管出血が疑われたため精査目的で同日当院紹介,消化器科に入院となる.入院当日に上部消化管内視鏡検査を実施,胃体上部前壁に胃潰瘍(StageA2)を認めたが活動性の出血は伴っていなかったため止血処置は要さず,保存的に制酸薬および鉄剤内服加療開始となる.入院後貧血は改善傾向であったが,血清Na値の低下が進行し,7月9日総合内科紹介,精査目的で7月13日同科転科となる.既往歴:2002年から繰り返す失神発作に対して2007年に当院循環器科入院精査も原因不明であった.以降も失神発作は繰り返しており,起立性低血圧疑いとして循環器科通院中.内服歴:ランソプラゾールOD錠30mg(タケプロンⓇ)1日1錠眠前,レバミピド100mg錠(ムコスタⓇ)1回1錠を1日3回,チクロピジン塩酸塩100mg錠(パラクロジンⓇ)1回1錠を1日2回,乾燥硫酸鉄105mg(フェロ・グラデュメットⓇ)1日1錠眠前,メチル硫酸アメジニウム10mg錠(リズミックⓇ)1回1錠を1日2回.生活社会歴:現役の秤製造工場長,既婚.アレルギー歴なし,喫煙歴なし,飲酒は機会飲酒程度.ここ6カ月で4kgの体重減少があり,入院時は身長165cm,体重38.4kg.家族歴:母親は脳梗塞で死去,父親は死因不明,兄は心筋梗塞で80歳で死去.ROS:陽性所見は食欲不振,嘔気,体重減少,黒色便.陰性所見は頭痛,発熱,悪寒,気道症状,排尿障害,視野/視力障害,腹痛/下痢/便秘,関節痛/筋肉痛,皮疹,四肢の運動/感覚障害,不随意運動,歩行障害,抑うつ気分.
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