構造と診断 ゼロからの診断学・14
ゲーム理論を臨床医学に活用させる
岩田 健太郎
1
1神戸大学医学部感染症内科
pp.420-424
発行日 2011年5月15日
Published Date 2011/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102188
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ゲーム理論の素人的説明
■フォン・ノイマンが1920年代に提唱し,ジョン・ナッシュが応用したゲーム理論.ナッシュはこれで1994年にノーベル経済学賞を受賞するのだが,ノーベル賞級の経済学研究をぼくのようなド素人がうんぬん解説するとぼろが出るのでやめておく.ジョン・ナッシュは統合失調症であった.そのため,彼も奥様も大変苦難に満ちた,そして波乱に満ちた人生を歩まれた.その経緯はA Beautiful Mindという素晴らしい映画に描かれている.ラッセル・クロウとジェニファー・コネリーの素晴らしい演技,素晴らしい夫婦愛.必見である.
■繰り返すが,ゲーム理論はノーベル賞モノの巨大な理論である.ぼくのような門外漢がこれを振り回して使うなど,そんな不遜なことは考えられない.ここで検討するのはゲーム理論「的な」ものである.ゲーム理論の根幹にある「要諦」と申しあげてもよろしい.それは,「どっちに転んでも損をしない選択肢を選ぶ」である.あるいは「両者にとって最適解を選ぶ」でもよろしい.
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