特集 症状別副作用逆引き事典
循環器
胸痛,動悸,頻脈,失神,意識消失,高血圧
長谷川 浩二
1
1独立行政法人国立病院機構京都医療センター 展開医療研究部
キーワード:
向精神薬
,
薬剤性QT延長症候群
,
Torsades de pointes
,
心原性失神
,
神経原性失神
,
反射性失神
Keyword:
向精神薬
,
薬剤性QT延長症候群
,
Torsades de pointes
,
心原性失神
,
神経原性失神
,
反射性失神
pp.367-369
発行日 2011年5月15日
Published Date 2011/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102173
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Case
血管拡張薬および抗炎症薬の内服中,逆流性食道炎により胸痛をきたした例
患者:57歳,女性.身長158cm,体重67kg.
現病歴:高血圧,肥満,耐糖能障害あり,降圧薬(Ca拮抗薬)内服中である.また腰痛と変形性膝関節症にて整形外科通院中,痛み止め(非ステロイド系抗炎症薬)を1日3回内服している.数週間前から安静時に咽頭つかえ感,胸痛を感じるようになった.持続は30~40分程度で朝起床時に多い.ニトロ舌下にて20分くらいで軽快する.安静時心電図は正常範囲で,胸痛時の心電図はとらえられていない.複数の危険因子の存在から虚血性心疾患を疑い,冠動脈CTを施行したが中等度狭窄のみであった.血管攣縮性狭心症の可能性も否定できないが,ニトロの効果があいまいで,逆流性食道炎を疑い上部消化管内視鏡を施行したところ,grade Cの逆流性食道炎を認めた.非ステロイド系抗炎症剤内服を減量し,プロトンポンプ阻害薬の投与により胸痛は消失した.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.