今月の主題 臨床医のための免疫学
組織適合性抗原と免疫反応
Major Histocompatibility Complex(MHC)の構造と抗原
小林 賢
1
,
関口 進
1
1防衛医科大学校・検査部
pp.418-420
発行日 1990年3月10日
Published Date 1990/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900107
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ヒト主要組織適合性複合体(MHC)であるHLA抗原は,第6染色体短腕部のp21.1からp21.3の間の上の,約3cM内に存在するMHC領域によりコードされた遺伝子群の支配を受け存在する.この領域は,ほとんどの真核細胞膜表面上に表現されているHLA-A,-B,-C抗原系を支配するクラスI遺伝子領域と,B細胞,マクロファージ,内皮細胞,精子などの限定された組織,細胞にしか表現されていない細胞特異的なHLA-DP,-DQ,-DR抗原系を支配するクラスII遺伝子領域および補体成分(C2,C4,Bf)と,副腎においてステロイドホルモンの合成に関与する酵素である21-ヒドロキシラーゼなどを支配するクラスIII遺伝子領域より構成されている1)(図1).また近年,クラスIIIのBf遺伝子とクラスIのHLA-B遺伝子との間に,腫瘍壊死因子(Tumor NecrosisFactor;TNF)遺伝子の存在が確認されている.
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