今月の主題 腹部疾患をエコーで診る
臓器・疾患別アプローチ―ワンポイントレクチャー
〈肝(びまん性)〉
von Meyenburg complex
石田 秀明
1
,
小松田 智也
1
,
高木 正仁
1
1秋田赤十字病院超音波センター
pp.205
発行日 2004年2月10日
Published Date 2004/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100920
- 有料閲覧
- 文献概要
von Meyenburg complex(VMC)は一種の過誤腫で,剖検肝では1~5%に認められる.VMCは,慢性肝炎や肝細胞癌などとの合併例の報告もあるが,基本的には単なる迷入胆管で,前癌状態でも慢性肝疾患の一表現形でもなく,それ自体は精査や治療の対象とはならない.そのため,超音波診断上VMCを他疾患と誤診しないことが求められる.
組織学的には,内部に胆汁を含む胆管上皮で縁どられた小囊胞であることから,超音波でも小囊胞(円形無エコー腫瘤)の集簇として描出されると期待されるが,囊胞径が超音波の空間分解能程度の0.1~数mm前後のことが多く,超音波画像上単純に多発小囊胞として表現されない.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.