特集 高齢者の誤嚥
【ミニレクチャー】
誤嚥の発生機序からみた摂食姿勢の工夫
丸川 征四郎
1
1医誠会病院救急診療センター
pp.132-133
発行日 2010年2月15日
Published Date 2010/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101856
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誤嚥の発生機序
誤嚥が起きる機序には,呼吸と食物の通路が咽頭で合流する解剖学的な要因と,咽喉頭を食物が通過する際に喉頭閉鎖が不完全,あるいはタイミングがずれるなどの機能的要因とが関わっている.前者は,食道瘻・胃瘻の増設,胃チューブの挿入,あるいは気管切開や気管瘻増設などによって通路を分離すれば,完全ではないが大幅に改善される.しかし,喉頭閉鎖不全などを改善する効果的な方法はない.現在,われわれが取り得る誤嚥回避の手段は,食事用具,食物形態,摂取(介助)法,そして摂食姿勢など食べ方の工夫に限られている.
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