シネマ解題 映画は楽しい考える糧[19]
「コンスタンティン」
浅井 篤
1
1熊本大学大学院医学薬学研究部生命倫理学分野
pp.73
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101607
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自殺と罪の死後の行き先
ジョン・コンスタンティンは20年もの間大量の喫煙をしてきたために肺癌に侵され,今や末期状態にある30代のエクソシスト(悪魔祓いの祈祷師)です.彼は神とサタンが結んだ契約を破って人間界に入り込んでくる悪魔たちを地獄に追い返すことを仕事にしていました.物語は精神科病棟に入院していたイザベルが自殺するところから始まり,この世に不法侵入してくる悪魔が増えて天国と地獄の勢力バランスが崩れ,地獄からやって来る恐ろしい存在とコンスタンティンとの対決でクライマックスを迎えます.
主演のキアヌ・リーブスはかっこよく,霊感の強い双子のイザベルとアンジェラを一人二役で演じるレイチェル・ワイズは魅力的です.作品は特撮シーン満載でテンポのよい伝奇アクション映画に仕上がっています.ただストーリーは結構入り組んでおり,キリスト教や天国と地獄の概念について熟知していないとなかなか理解が難しいところがあるのも確かです.私は台詞の意味を理解し,悪魔を含む登場人物たちの「人間」関係を整理し,ストーリーの流れを把握するために4回は観たでしょうか.
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