特集 からむ痰,うっとうしい咳
【治療】
慢性呼吸不全・COPDに去痰薬は有効か?
井上 義一
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1国立病院機構近畿中央胸部疾患センター 臨床研究センター呼吸不全・難治性肺疾患研究部
キーワード:
去痰薬
,
慢性閉塞性肺疾患
,
特発性肺線維症
,
慢性呼吸不全
,
エビデンス
Keyword:
去痰薬
,
慢性閉塞性肺疾患
,
特発性肺線維症
,
慢性呼吸不全
,
エビデンス
pp.44-48
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101601
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喀痰は多くの呼吸器疾患で認められる非特異的症状であり,その治療は呼吸器領域の基本である.広義の去痰薬(Mucoactive agent)は作用別に,①排痰(去痰)薬 (Expectorant:痰の量を増加,加水で排痰を促し痰を出す),②粘液溶解薬 (Mucolytic:粘液の粘稠度を減少),③粘液作動薬(Mucokinetic:粘液の動力学を改善,気流改善,繊毛運動改善,上皮への粘着性,水分粘液の分泌),④粘液調節薬 (Mucoregulator:慢性の粘液過分泌の減少),に分類されるが,最近はこれら薬剤のもつアンチオキシダント作用,抗炎症作用も注目されている1).本稿では去痰薬の有効性について,慢性呼吸不全をきたす疾患,とくに慢性閉塞性肺疾患(COPD)を中心に,エビデンスを含めて概説する.
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