特集 好きになる呼吸器学―珠玉の症例集から
呼吸器診療の楽しさとは
呼吸器難病に取り組んだ人生
吾妻 安良太
1
1日本医科大学武蔵小杉病院 呼吸器内科
キーワード:
呼吸器難病
,
特発性肺線維症
,
エビデンス
,
生命科学
,
臨床医
Keyword:
呼吸器難病
,
特発性肺線維症
,
エビデンス
,
生命科学
,
臨床医
pp.947-951
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_947
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呼吸器内科医になってあっと言う間に39年が経過した.診療が楽しいと思ったことはない.その意味で本稿のテーマにはそぐわないかもしれないが,充実感のある人生が送れた実感はある.
呼吸器内科は単一の臓器であるが,疾患の数も大変多く,また病態も多様である.肺炎や結核をはじめとする感染症,ガス交換機能を主体とする呼吸機能障害,肺がんをはじめとする腫瘍,左右の肺実質や気道を犯す「びまん性肺疾患」に至っては炎症,肉芽腫,線維症などまれな疾患を含めると100近い疾患の鑑別を要す.また全身疾患の一部として臨床症状が現れる場合もあり,呼吸器関連症状のみならず,全身管理の視点で患者と対峙することに醍醐味を感じてきたし,いまだに克服できた満足には到達していない.
© Nankodo Co., Ltd., 2022