特集 医師に必要な臨床栄養学
【症例報告】
感染を合併した難治性皮膚潰瘍の1例
川口 美喜子
1
1島根大学医学部附属病院臨床栄養部
pp.944
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101556
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患者:70歳代,女性.
身体所見:身長141cm,体重56kg,BMI 28.2.
病名:うっ滞性皮膚壊死・潰瘍(左下腿).
現病歴:1999年9月頃,誘因なく左下腿に貨幣大の潰瘍が出現し植皮術にて治癒が得られたが,2002年1月までに6回の再発を繰り返し,そのつど植皮術にて治癒していた.2005年8月に再度再発し,ニューキノロン耐性緑膿菌感染を伴い難治のため当院皮膚科に紹介入院となった.上皮化による創部の閉鎖を目的に網状植皮術による治療が予定されていた.
入院後経過:入院時より一般常食1,350kcal,蛋白質60gを全量摂取し,入院時の検査値がTP 6.4g/dl,Alb 3.3g/dl,CRP 9.4mg/dlであったが,入院30日後にはTP 5.0g/dl, Alb 2.4g/dl,TTR 7.1mg/dl,CRP 4.5mg/dl,亜鉛47μg/dl,銅103μg/dlと栄養状態の悪化を認めNST介入となった.
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