今月の主題 難治性胃潰瘍
綜説
難治性潰瘍の生検
石原 国
1
,
田中 弘道
1
,
福本 四郎
1
1鳥取大学医学部内科
pp.1029-1034
発行日 1967年8月25日
Published Date 1967/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110547
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胃潰瘍の内科的治療に際し,きわめて短時日の間に潰瘍の治癒する症例があると同時に厳重な安静加療を行なっても治癒傾向が乏しく長期間潰瘍の存在する症例がある.一般に後者を内科的治療に抵抗する潰瘍,すなわち難治性潰瘍と臨床上呼んでおり,難治性潰瘍に関する厳格な基準,定義はない.いわば治療経過を主とした臨床上の呼称であるといえる.したがって難治性潰瘍の病理組織学的所見についても古来慢性潰瘍の特徴としてあげられているもの以外に明らかな特徴はない.
他方,直視下胃生検も潰瘍辺縁の癌化の有無,癌性潰瘍との鑑別に関する報告は多いが潰瘍の病勢の検討を行なった報告はほとんどない.
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