特集 医師に必要な臨床栄養学
栄養を考える前に検討すべき摂食・嚥下機能
若林 秀隆
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター リハビリテーション科
キーワード:
摂食・嚥下障害
,
リハビリテーション
,
摂食・嚥下の5つの過程
,
スクリーニングテスト
,
むせのない誤嚥
Keyword:
摂食・嚥下障害
,
リハビリテーション
,
摂食・嚥下の5つの過程
,
スクリーニングテスト
,
むせのない誤嚥
pp.912-915
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101546
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Case
誤嚥性肺炎後に不要な胃瘻を造設されそうになった1例
患者:77歳の女性.パーキンソン病,誤嚥性肺炎.
現病歴:7年前にパーキンソン病と診断.徐々に機能低下を認め,介助歩行であった.薬を水で内服してむせることがあった.今回,誤嚥性肺炎のため入院.禁食として,酸素療法と抗菌薬による治療を行い,肺炎は改善した.主治医が座位で水飲みテストを行ったらむせたので,経口摂取は困難と判断してすぐに胃瘻造設を予約した.
胃瘻の必要性を疑った看護師がギャッジアップ30°・頸部前屈位でスクリーニングテストを行ったところ,フードテスト,改訂水飲みテスト,頸部聴診法,パルスオキシメータいずれも正常であった.そのため,看護師は主治医に直接訓練の開始を提案した.主治医は誤嚥性肺炎を恐れたが,看護師の熱意に負けてゼリー食を開始した.その後,食事中にむせることはなく,段階的に食形態をあげて嚥下障害食の経口摂取で自宅退院となった.
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