特集 手をみせて
【全身疾患でみられる手の所見】
呼吸器疾患でみられる手の所見―パルスオキシメータを挟む瞬間に注目すべきこと
川畑 雅照
1,2
1虎の門病院分院総合診療科 呼吸器内科
2虎の門病院分院総合診療科 医学教育部
キーワード:
ばち指
,
チアノーゼ
Keyword:
ばち指
,
チアノーゼ
pp.470-473
発行日 2008年6月15日
Published Date 2008/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101435
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Case
ばち指により発見された肺癌の1例
患者:71歳,男性.
現病歴:数カ月前より長引く咳嗽と喀痰を主訴に外来を受診した.問診票をみると20歳より1日40本の重喫煙歴があることが記載されていた.病歴を聴取すると,数年前より軽度の労作時呼吸困難も自覚していた.病歴聴取後にパルスオキシメータを挟もうとしたところ,手指の爪の丸みを認めた.爪の変化ついて聞いてみたところ,約1カ月前に気付いたとのことであった.身体所見では両側肺で呼吸音の減弱を認め,胸部X線では肺野の過膨張所見と左下肺野に腫瘤影を認めた.大学病院の呼吸器内科に紹介したところ,COPDおよび扁平上皮癌と診断された.
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