特集 妊婦が外来に来たら
【症状・疾患への対応】
妊婦の急性腹症
安日 一郎
1
1国立病院機構長崎医療センター産婦人科
キーワード:
妊娠
,
白血球数
Keyword:
妊娠
,
白血球数
pp.220-221
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101368
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女性の急性腹症は,救急医療の現場でよく遭遇するテーマである.女性の急性腹症の特徴は,その鑑別疾患の中に妊娠関連疾患が含まれることである.表1に女性の急性腹症として鑑別すべき疾患を列記した.
妊婦の急性腹症の特徴は,妊娠関連疾患のスクリーニングが必要なことである.流産,子宮外妊娠,早産,あるいは妊娠高血圧症候群の重症化徴候など,その多くは産科救急疾患としての対応が求められる.妊婦の腹痛を主訴とする疾患は,まず妊娠関連疾患の有無に関する評価が必須であり,いたずらに内科的な診断プロセスに固執したり,内科的な判断だけで対応することは,産科救急疾患を見落とすことになりかねない.妊婦の急性腹症の診断に際しては,まず産科疾患のスクリーニングがスタートであり,産科的異常がない場合に初めて次の診断プロセスに移行することになる.
妊婦の急性腹症は,妊娠の時期によって鑑別疾患が異なるが,妊娠初期に最も重要なことは「妊娠を見逃すな!」ということである.
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