特集 妊婦が外来に来たら
【症状・疾患への対応】
妊婦のメンタルヘルス
岡野 禎治
1,2
1三重大学保健管理センター
2三重大学大学院医学系研究科環境社会医学講座
キーワード:
予測
,
危険因子
,
検出
,
精神科診断
,
メンタルヘルス・ケア
Keyword:
予測
,
危険因子
,
検出
,
精神科診断
,
メンタルヘルス・ケア
pp.216-219
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101367
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Case
妊娠初期に不眠,抑うつ気分を訴えて産科を受診した妊婦
患者:32歳,経産婦,核家族.
現病歴:2年前の第1子出産後,育児・家事ができず,半年くらい泣き続けていた.とくに治療は受けずに軽快した.2人目の子どもはあきらめていたが,再度妊娠した.妊娠初期に悪阻のために悩み,その後も次第に気分が悪く,気力もなくなり,家事や育児を続けられなくなった.長男をついつい放置しがちな妻の様子を心配した配偶者に連れられて産科医療機関を受診した.少し時間をかけて産科医が問診したところ,うつ病が疑われたため,近医の精神科クリニックを紹介され,「反復性うつ病」と確定診断を受け,治療が開始された.その後,定期的に産科医と精神科医は連携しながら経過をみた.精神症状は妊娠中期には軽快し,無事出産に至った.
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