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Case
患者:31歳の女性.
主訴:外陰部痛.
現病歴:若年発症型の2型糖尿病にてインスリンを使用していたが,ここ数カ月,通院を自己中断していた.今回,来院3日前から排尿時の会陰部痛を自覚したが,残尿感や発熱はみられなかったため,自宅にて経過観察していた.来院当日の夕方から左外陰部痛が増強し,歩行時の激痛も生じ歩行も困難になってきたため,当院救急室を受診.悪心・嘔吐なし.帯下の増量や色調・臭気の異常はみられなかった.最終月経;来院3週間前,量は中等量,期間は7日間,周期は約30日.
既往歴:糖尿病;15歳から指摘され,22歳妊娠時よりインスリン使用.左大腿部皮下膿瘍;15歳.帝王切開;30歳.
生活歴:喫煙歴;20本/日を1年間(19~20歳まで).飲酒歴;機会飲酒.
入院時身体所見:身長150cm,体重50kg,BMI 22,血圧120/50mmHg,脈拍100/分,呼吸数22回/分,体温36.8℃,SpO2 97%(室内気).全身状態は落ち着いており,苦痛様所見は認めず.眼瞼結膜に貧血あり.口腔内乾燥軽度あり,咽頭に発赤/腫脹なし.頸部リンパ節触知せず.肺音は清で左右差なし.心音は整で雑音なし.腹部は平坦・軟で腸蠕動音は正常.背部の叩打痛なし.両下腿の浮腫あり.皮疹を認めず.婦人科的診察にて外陰部左に約2cmの硬結と発赤あり,同部位に圧痛著明.
神経学的所見:振動覚;両側下肢5secと低下.
DTR(深部腱反射):四肢での軽度減弱を認める.
入院時検査所見:血算;WBC 8,000/μl,Hb 7.0g/dl,Hct 25.0%,MCV 63fl,Plt 423,000/μl,Ret 2.2‰.生化学;Na 138mEq/l,K 4.3mEq/l,Cl 103mEq/l,TP 5.3g/dl,Alb 3.1g/dl,BUN 6mg/dl,Cre 0.4mg/dl,Glc 412mg/dl,AST 75IU/l,ALT 93IU/l,T-Bil 0.7mg/dl,CRP 0.1mg/dl,HbA1c 12.4%.
一般尿検査;pH6.0,糖(4+),蛋白(1+),ケトン(-).尿沈渣;RBC<1~19/hpf,WBC 5~9/hpf,細菌(1+)(中間尿).
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