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Case
患者:48歳,女性.
主訴:発熱,下腹部痛.
現病歴:来院3日前より尿意はあるものの尿量が少なく,排尿の回数が少なくなっていることを自覚していた.来院2日前に努めて1日1l以上の水分を摂るようにしていたが,依然排尿は少なく,下腹部を中心とした腹部膨満感および腹痛を自覚するようになった.来院当日には悪寒を伴う発熱があり,持続することから,救急外来を受診した.頭痛,咽頭痛,咳嗽,下痢なし.
既往歴:中学3年生時に動脈管開存症の手術.
生活歴:タバコ1日1箱,飲酒はビール500mlを4~6本/日.
常用薬:なし.
婦人科歴:3経妊3出産(第2,3子は帝王切開).最終月経は2週間前から1週間,月経周期や期間は不整,経血の増量やおりものの変化なし.
来院時身体所見:血圧128/80mmHg,心拍数90回/分,呼吸20回/分,体温39.9℃,SpO2 96%(室内気).
意識清明,全身状態は軽度倦怠感あり,眼球結膜に軽度黄染あり,口腔内は乾燥なし,頸部リンパ節腫脹なし,呼吸音は清・左右差なし,心音整・雑音なし,腹部は下腹部正中に手術痕あり・腹部膨満・鼓音著明・左右の下腹部に圧痛あり・軽度の反跳痛あり,直腸診では明らかな圧痛なし,下腿浮腫は認めず,背部叩打痛なし.
来院時血液検査:
血算:WBC 17,700/μl(Stab 6.5%,Seg 80%,Lym 9%,Mo 2.5%,Eo 2%),RBC 421×104/μl,Hb 15.4g/dl,Hct 45.3%,MCV 108fl,Plt 20.0×104/μl.
生化学:TP 6.5g/dl,Alb 2.9g/dl,AST 27IU/l,ALT 47IU/l,ALP 299IU/l,LDH 174IU/l,γGTP 304IU/l,t-bil 2.7mg/dl,d-bil 1.2mg/dl,BUN 6mg/dl,Cre 0.5mg/dl,Na 130mEq/l,K 3.5mEq/l,Cl 97mEq/l,CRP 9.76mg/dl.
尿検査:比重1.027,pH 6.9,尿蛋白(2+),潜血(+),ケトン体(+),赤血球 5-9/HPF,白血球>100/HPF,妊娠反応(-).
心電図:洞性頻脈.
胸部X線:心拡大なし,肺野に異常陰影は認めない.
尿スメア:グラム陰性桿菌(2+),多核球(+),貪食像は明らかではない.
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