特集 子どものミカタ!
非小児科医の小児診療レベルアップ―生涯教育のポイント
五十嵐 正紘
1
1五十嵐こどもクリニック
キーワード:
プライマリ・ケアの10の軸
,
かぜ医者
,
学習法の学習
,
学習環境
,
生涯学習
Keyword:
プライマリ・ケアの10の軸
,
かぜ医者
,
学習法の学習
,
学習環境
,
生涯学習
pp.742-746
発行日 2007年9月15日
Published Date 2007/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101215
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プライマリ・ケア医の学習内容と学習場所
医学教育の最終目標は,教わることではなく,医師が生涯にわたって自主学習者であり続けるようになることである.乳幼児の好奇心・探求心の如く,強制されることなく本能的な学習者であり続ける者がプロとなりうる.
患者に合わせて自分が変わるのが総合医,家庭医,あるいはプライマリ・ケア医である.自分に合わせて患者を選ぶのが,いわゆる専門医(私はこの言葉をきらって分化医と称している)である.
したがって,プライマリ・ケア医の学習内容は,自分の前に現れる子どものありようによって決まってくる.つまり,自分の持ち場のsettingとcontextで決まってくる.その意味で,自分の診察室や,出前の医療の場合は,家庭や園・学校での診療現場が,最も興味をそそる,最も質の高い,最も役に立つ,最も厚みのある学習場所である.自分をまず規定したい分化医ならともかく,相手に合わせて自分が変わるプライマリ・ケア医にとっては,勉強会や学会は,一段質の低い学習場所である.
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