特集 疾患・治療概念の最近の変化
【診断・検査】
―新しい結核菌感染診断試薬―QuantiFERON(R)TB-2G
北村 暁子
1
1葛飾区保健所金町保健センター
キーワード:
QuantiFERON(R)TB-2G
,
ツベルクリン反応検査
,
BCG接種
,
潜在結核感染
,
費用効果分析
Keyword:
QuantiFERON(R)TB-2G
,
ツベルクリン反応検査
,
BCG接種
,
潜在結核感染
,
費用効果分析
pp.653-655
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101187
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何が新しいか
ここ約百年もの間,結核菌感染を診断するための検査は,ツベルクリン反応検査しかなかった.QuantiFERON(R)TB-2Gによる結核菌感染診断検査(QuantiFERON(R)TB-2G検査)は,結核菌特異抗原であるESAT-6(J3)とCFP-10(J3)に対する細胞性免疫反応を利用して,ELISA法(J4)によって遊離したインターフェロンγ量を測定する全血を用いた検査である(図1).ツベルクリン反応検査(J5)とは違って,過去のBCG接種の影響を受けずに結核菌感染をin vitroに診断できる点が新しい.
結核菌特異抗原であるESAT-6とCFP-10は,Mycobacterium tuberculosis,M. bovis,M. africanumにあり,また非結核性抗酸菌であるM. kansasii,M. marium,M. szulgai,M. flavescens,M. gastriおよびM. lepraeにもある.しかし,すべてのM. bovis BCGワクチン亜株,日本における非結核性抗酸菌症の中で最も多いM. avium,M. intracellulareには存在しない.
QuantiFERON(R)TB-2G検査の判定基準については,文献を参照されたい3, 4).
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