プライマり・ケアのリスクマネジメント4
インフォームド・コンセント失敗例
長野 展久
1
Nobuhisa Nagano
1
1東京海上メディカルサービス株式会社/東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科司法医学
pp.1052-1056
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101086
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
近年の医事紛争では,説明義務違反という考え方に基づいて,医師の過失を認定するケースが増えてきました.そのため,多くの医師は慎重なインフォームド・コンセントを心がけていると思いますが,患者側からの反応として,「難しい話ばかりでよくわからないまま同意書を書かされた」という声を聞くこともあります.
そして治療がうまくいって患者の期待通りとなれば,たとえ不十分なインフォームド・コンセントでも問題にはなりません.実際に,「先生にすべてお任せします」といって詳しい説明を聞きたがらない患者もいるくらいです.ところが,過大なマスコミ報道の悪影響もあって,ひとたび患者に不利益な事態が生じると,たとえそれが事前に予想された合併症であっても,「医療ミス」かどうか争いになる事案が増えてきました.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.