特集 今そこにあるHIV感染症
プライマリ・ケアで出会うHIV感染症のケース・スタディ
本田 美和子
1
Miwako Honda
1
1国立国際医療センター エイズ治療・研究開発センター
キーワード:
acute retroviral syndrome
,
帯状疱疹
,
男性間性的接触に起因する感染症
,
緩徐に進行する呼吸困難とカリニ肺炎
Keyword:
acute retroviral syndrome
,
帯状疱疹
,
男性間性的接触に起因する感染症
,
緩徐に進行する呼吸困難とカリニ肺炎
pp.754-757
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101016
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1992年に日本政府・地方自治体が共同で『ストップ・エイズキャンペーン』という大規模な啓蒙活動を行い,HIV(human immunodeficiency virus)について広く一般の方々に知ってもらう機会を設けたことがありました.その結果,その年にエイズ動向委員会に届けられた,保健所でのHIVに関する相談件数は25万件を超えました.しかし,残念なことに,このキャンペーンは1年限りであり,寄せられる相談の件数は翌年から徐々に減り続け,2003年には約13万件とほぼ半数になっています(図1).社会的に注目されることが少なくなった今,「HIVは昔はやった病気なんじゃないの?」ととらえられがちです.
しかし,この傾向に相反して届けられるHIV感染者の数は一貫して増加しており,2004年4月には約6,000人のHIV陽性者が累積報告されています(図1).また,国立国際医療センターのHIV専門外来に定期通院中の患者数は,2004年5月現在,1,400人を超えました.
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