特集 Common Diseaseの診断・治療の新しい常識
ガイドラインをふまえた日常診療
消化性潰瘍
本郷 道夫
1
Michio Hongou
1
1東北大学医学部附属病院総合診療部
キーワード:
消化性潰瘍
,
H. pylori
,
除菌治療
,
酸分泌
,
ストレス
Keyword:
消化性潰瘍
,
H. pylori
,
除菌治療
,
酸分泌
,
ストレス
pp.674-676
発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101000
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Case
再燃再発を繰り返した十二指腸潰瘍症例
患者:38歳,男性,会社員.
家族歴:父,兄に十二指腸潰瘍.
現病歴:24歳時,十二指腸潰瘍発症.酸分泌抑制薬にて治癒した.潰瘍治癒により自覚症状が消退し,また多忙のため,維持療法は受けなかった.仕事は多忙で,1日40~60本の喫煙,食事は不規則であり,生活指導を受けても遵守できずにいた.その後,2~3年ごとに十二指腸潰瘍の再発を繰り返し,そのたびに酸分泌抑制薬および粘膜防御因子増強薬による治療を受けていた.36歳時,筆者を紹介され受診した.活動期の十二指腸潰瘍を確認するとともにH.pylori陽性であることを確認し,プロトンポンプ阻害薬による潰瘍治療の後,除菌治療を行った.潰瘍治癒と除菌成功を確認し,その後は薬剤を投与せず,経過観察とした.除菌5年後の経過観察内視鏡では,潰瘍の再発はなく,胃粘膜にもH.pylori感染を思わせる所見はなく,胃粘膜生検でもH.pylori菌体あるいは炎症所見は認められなかった.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.