臨床研究
左・右脚ブロックの基礎疾患とブルガダ症候群について―5年間の循環器外来における心電図の検討
高階 經和
1
Tsunekazu Takashina
1
1高階国際クリニック
pp.606-610
発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100986
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目的:当クリニックの症例にみられる左・右脚ブロックの発症率と,その基礎疾患についての検討を行うことを目的とした.
対象:1998年1月6日より2003年5月10日までの約5年間における循環器外来(成人病外来)で記録された心電図4,997枚を対象とした.
方法:患者総数は1,156名(男:528名,女:628名)にのぼる.そのうち,左・右脚ブロックを合わせると85名(7.4%)であり,診断上の特性から左脚ブロックを3つのグループ,右脚ブロックを5つのグループに分け,それぞれ左・右脚ブロックのグループにおける年齢分布や基礎疾患を調べた結果,両者に差があるかどうかの検討を行った.
結果:左・右脚ブロック85名のうち,左脚ブロックは16名で全体の1.4%,右脚ブロックは69名で全体の6.0%であり,右脚ブロックは左脚ブロックの約4倍の発症率であった.各グループにおける年齢分布,臨床的な基礎疾患を調べた結果,左脚ブロックと右脚ブロックの間に,主要な基礎疾患の差があることが明らかになった.また,完全右脚ブロックを示す症例中に,最近,突然死の原因として注目を集めているブルガダ症候群(Brugada Syndrome)の2症例を経験したので,ここに報告する.
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