特集 地域で医師を育てる 地域保健・医療研修で何をするか
TOPICS
研修医が抱えるストレス―実態と対処・予防法
中村 明澄
1,2
,
前野 哲博
3
1国立病院東京医療センター総合診療所
2前 筑波大学附属病院総合医コースシニアレジデント
3筑波大学附属病院卒後臨床研修部
pp.424-426
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100895
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調査からみえるストレスの実態
研修開始約2カ月後に4人に1人が抑うつ状態に
われわれが行った調査では,研修開始から1~2カ月後,研修医の4割近くが抑うつ状態にあり,このうち8割は,研修開始後に新たにうつになったケースであることが明らかになった(文部省科学研究費助成研究「卒後初期研修における研修医のストレス」).これまで医療職,とりわけ医師のメンタルヘルスに関してはあまり注意が払われてこなかったが,とくに研修医はストレス反応を呈しやすく,卒後臨床研修必修化に向けてメンタルヘルスケアは避けて通れない問題となる.
研修医が抱えるストレス
一般の職業ストレスモデルを初期研修の場に置き換えて作成したものを図1に示す.
実際にストレス反応が生じるまでにはさまざまな因子が関与しており,受け持ち患者数の増加,勤務時間の延長などのストレス要因に,個人的特性と緩和要因が関与して,最終的なアウトカムとして抑うつや燃え尽きといったストレス反応につながっていく.
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