特集 家庭医のためのウイメンズ・ヘルス読本
【ライフステージごとの女性の診かた】
②思春期―予防教育・STD・避妊
稲田 美紀
1
1三重大学医学部附属病院総合診療部
キーワード:
性的ネットワーク
,
STD
,
コンドーム
,
ピル
,
女子主導
Keyword:
性的ネットワーク
,
STD
,
コンドーム
,
ピル
,
女子主導
pp.290-294
発行日 2007年4月15日
Published Date 2007/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100869
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Case
どのような避妊法をしているか尋ねたところ,「わからない」と答えた女子高生
患者:17歳女性,ごく普通の高校2年生.
主訴:咳,鼻汁.
現病歴:昨日からの主訴にて受診した.感冒の診断で処方の際,妊娠していないか尋ねると「たぶん」,絶対してないとは言えないのか尋ねると「言えない」,避妊の方法は「わからない」と答える.ピルの内服はせず,コンドームは使用していない.理由をきくと「友達も皆そうしてるし…」,「自分は妊娠しないとなんとなく思う」と言う.交際相手は高校の1年先輩で交際期間は約3カ月,平均週3回性交渉があり,性経験は彼で3人目であった.つきあってしばらく経つとなんとなく性交渉をするようになっているとのこと.STD,妊娠はいつ誰にでも起こり得る問題であり,これらの予防法について具体的に話しあった.相手任せにせず,女の子が主導となり考えてほしい,今後も何か疑問に思うことがあれば受診してほしい,と伝えた.
思春期の予防教育
■思春期の問題点
思春期は将来の生活習慣病への予備段階にもなるうえ,喫煙,飲酒,薬物使用,危険な性行為といった問題行動も隠れている.ひとつ問題行動があると複数へと発展することも多い.年1回程度“思春期健診”として定期的に来院してもらい,スクリーニング,リスク軽減教育,健康指導を行うのがよい.何らかの受診をきっかけにすると勧めやすい.チェック項目と子どもへの具体的な質問の仕方を表1に示す1).
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