特集 家庭医のためのウイメンズ・ヘルス読本
【ライフステージごとの女性の診かた】
③性成熟期
西村 真紀
1
1川崎医療生協 あさお診療所
キーワード:
月経困難症
,
月経前症候群(PMS)
,
妊娠前ケア
,
産後うつ病
,
不妊症
Keyword:
月経困難症
,
月経前症候群(PMS)
,
妊娠前ケア
,
産後うつ病
,
不妊症
pp.296-299
発行日 2007年4月15日
Published Date 2007/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100871
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Case
月経前症候群で仕事に支障が出ていた女性
患者:32歳女性.
仕事:出版社勤務.
既往歴:特記すべきことなし.
現病歴:29歳頃から,毎月のように決まって月の半分ほど気分がふさいで,会社で些細なことで泣いたり,やる気がなく,朝出勤できないこともある.たぶん仕事上,毎月の原稿〆切との関連があると思っている.その時期はなぜかチョコレートをたくさん食べて体重も増加する.会社の仲間からはハイになったり機嫌が悪かったりするのでつきあいにくいと思われており,自分の性格が悪いと自己嫌悪に陥っていた.最近では気分の落ち込みだけでなく,頭痛やむくみがひどく,病気が隠れていると思い,受診.問診と身体所見・採血(TSH含む)の結果,典型的な月経前症候群であり,黄体期にSSRIを使用することで症状が改善した.
月経困難症 とくに子宮内膜症を念頭に置いて(月経痛→p316参照)
月経困難症のほとんどは機能性月経困難症で,月経の数日前から適切にNSAIDs(non-steroidal anti-inflammatory drugs : 非ステロイド性抗炎症薬)を使用することで対処できる.しかし,月経困難症を主訴として医療機関を受診する女性は非常に少ない.家庭医はかぜなどで受診した際に,必ず月経について質問するようにすることで,隠された月経困難症をみつけることができる.
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