今月の臨床 思春期のヘルスケアとメンタルケア
思春期診療の実際とカウンセリング
6.思春期と避妊
北村 邦夫
1
1日本家族計画協会クリニック
pp.1178-1181
発行日 2003年9月10日
Published Date 2003/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100835
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性交経験の低年齢化,加速化
東京都の性教育研究団体が3年ごとに実施している調査1)によれば,2002年における高校3年生女子の性交経験率は45.6%,男性では37.3%という結果であった.1996年の調査で女性が男性の性交経験率を上回る,いわゆる乗り越え現象が起こり,以降,女性の経験率は増加の一途をたどっている(図1).メディアや社会は若年女性の性行動の低年齢化,加速化を問題視しているが,基本的にヒトが動物性を有する存在であることを考慮すれば,月経や射精の開始直後から性交が行われることがあっても不思議ではない.わが国のような高学歴化,晩婚化が若者たちの性をどれほど歪めているかを踏まえて,避妊や性感染症(STD)予防教育を早期から実施することが重要である.
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