特集 家庭医のためのウイメンズ・ヘルス読本
【ライフステージごとの女性の診かた】
①小児期
山下 大輔
1
1Oregon Health & Science University Family Medicine
キーワード:
成長発達
,
帯下
,
陰部そう痒
,
二次性徴
,
タナーの分類
,
性的虐待
Keyword:
成長発達
,
帯下
,
陰部そう痒
,
二次性徴
,
タナーの分類
,
性的虐待
pp.286-289
発行日 2007年4月15日
Published Date 2007/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100868
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Case
患者:7歳女児.
相談内容:母親が,胸が大きくなってきたことを心配して相談に来院.問診では,月経や陰毛の発育はなく,成長発達も問題がなかった.診察にてタナー2度の軽度の乳房の発育を認めた.詳しく聞くと,3歳上の姉も10歳で初経があり,乳房の発育も比較的早かったということであった.7歳での軽度の乳房発育は問題がなく,経過をみるように母親に伝えた.
診療所でよくみられる小児期の相談としては,帯下や陰部のかゆみ,そして月経や外見上の二次性徴に関わる相談があげられる.本人からというよりは,普段と違った様子に気づいた保護者からの相談が多い.多くの場合は正常なことが多いが,子どもも気にしていることが多いだけに,しっかりと不安を受け止め,取り除いてあげることが大切である.このような相談のなかに性的虐待を疑わせる症状があることを知っておくことは,普段から子どもと接することの多い診療所の医師にとって大事であり,適切な対応ができるようになるべきである.
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