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特集 今さら聞けないかぜ診療のABC
《かぜと耳鼻咽喉科診療》
かぜ後の長引く咳
Prolonged cough after common cold
上條 篤
1
Atsushi Kamijo
1
1埼玉医科大学耳鼻咽喉科/アレルギーセンター
pp.930-934
発行日 2018年10月20日
Published Date 2018/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201843
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Point
●かぜ後の長引く咳は,感染後咳嗽と呼ばれ,遷延性咳嗽のなかで最も多くを占めるという報告もある。
●かぜ後に長引く咳嗽のなかで,感染後咳嗽は通常は乾性咳嗽であるが,鼻副鼻腔炎・後鼻漏による咳嗽は湿性咳嗽であることが多い。
●診断には感冒のエピソードが重要であり,また遷延性咳嗽の原因となる他の疾患と鑑別する必要がある。鼻副鼻腔炎のほかに,咳喘息(気管支喘息),アトピー咳嗽,胃食道逆流症などが代表的鑑別疾患である。
●治療のゴールデンスタンダードは存在しないが,抗ヒスタミン薬,中枢性非麻薬性鎮咳薬,麦門冬湯の組み合わせが有効であると報告されている。ただし,感染後咳嗽であれば通常は時間とともに自然消褪する。
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