特集 開業医の魅力に迫る
日本の開業医―その魅力と求められる能力
田坂 佳千
1
1田坂内科小児科
キーワード:
開業医
,
家庭医
,
プライマリ・ケア
,
臨床能力
Keyword:
開業医
,
家庭医
,
プライマリ・ケア
,
臨床能力
pp.298-303
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100787
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開業の形態は,①専門追求型(専門医療型)vs②家庭医型(包括型),と,(A)軽装備 vs (B)重装備,とに分類できる.専門追求型を開業にて維持するには,病院を超える徹底した専門性の追求が必要で,中途半端に家庭医型の要素を持ちはじめると紹介率の低下を招く.専門追求型の維持には覚悟が必要である.実際には,①で開業し,次第に②にシフトしていることが多い.
本稿では,②家庭医型について,筆者の考えを述べてみたい.
開業医の魅力
筆者が,1998年に家庭医療学研究会(現家庭医療学会)の開業医会員に行ったアンケート結果では,95%(19/20)の医師がやりがいを感じていた.その理由は表1である.一方,25%(5/20)の者が「勤務医に戻れるならば戻りたい」と解答した.その理由は表2である.まとめると,「開業医療は,患者さんや地域と密接な関係を構築でき,自分の理想とする医療を追求できるやりがいのある仕事ではあるが,医療以外の要素が多く,人事・物品管理・経営面など経営機能に負担を感ずることが多い」ということになる.また,「開業前のイメージと異なった」とする回答が,家庭医療学研究会の会員であっても45%(9/20)をしめた.その内容を表3に挙げ,図1に業務の多様性を示した.
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