聖路加国際病院Terminal Care Conference(最終回)
在宅で良好な管理を継続している卵巣癌による癌性腹膜炎の62歳女性―患者さんを交えて
藤田 聡子
1
,
西田 知佳子
1
,
Oさん
1
,
八重樫 朋子
1
,
櫻井 健司
1
,
塩田 恭子
1
,
押川 真喜子
1
,
遠藤 ゆかり
1
,
川名 典子
1
,
岡田 美賀子
1
,
加藤 佳子
1
,
岡田 定
1
1聖路加国際病院
pp.1071-1077
発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100765
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岡田(血液内科/司会) いつもは医療者だけで行っているターミナルケア・カンファレンスですが,今月は患者さん自身にも来ていただいています.患者さんにお聞きすることで教えてもらえることがたくさんあると思うので,今日は特別な会になると思います.では,担当の藤田先生からプレゼンテーションをお願いします.
症例呈示
藤田(産婦人科/担当医) 患者さんは62歳の女性です.未婚で出産歴はありません.ADLは自立しています.幼少時に叔父,叔母の養女になられ,短大卒業後は外資系企業に勤務していました.現在は退職されて,年金と貯金で生活されています.ご兄弟は3人いらっしゃいますが,遠方に住んでいらっしゃいます.
現病歴ですが,2000年8月頃より便秘症状が強く,腹部膨隆,右下腹部痛が出現したため,近医でCTを施行されたところ,腹水貯留と卵巣癌が疑われ,当科を紹介受診されました.卵巣癌の疑いということで,2001年7月に子宮全摘術と両側付属器切除,大網切除術を施行されています.術後に患者さんに病状のすべてを説明した後に,タキソール(R)とパラプラチン(R)による化学療法を5クール施行しました.
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