ヘルスコミュニケーションの時代(最終回)
健康づくりとヘルスコミュニケーション
遠藤 弘良
1
1WHO Director, Department of Communicable Diseases Prevention, Control and Eradication
pp.1068-1070
発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100764
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かつては,病気になってからの「治療」と病気の「予防」は分かれた概念としてとらえられており,治療は医療機関が担当し,予防は保健所などの行政機関が担当していた.しかし生活習慣病が増加し続ける現在では,治療と予防は一貫してとらえられるようになっている.
医療保険の分野でも慢性疾患指導料の重要性が増している.行動の変容を促すことが中心となる慢性疾患予防の指導においては,治療以上にコミュニケーションの果たす役割が大きいといえる.一方,生活習慣病の増加や医療費の増加などの影響により,国民自身がより積極的に健康管理をしていく傾向が強まっており,「セルフメディケーション」や「Expert Patient」という新たな概念が生まれている.
そこで本講最後となった今回は,これまでの治療を中心としたヘルスコミュニケーションから視点を移し,健康づくりの視点からヘルスコミュニケーションの重要性を論じてみたい.
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