JIM臨床画像コレクション
伝染性単核球症の軟口蓋点状出血
木村 琢磨
1
,
渡 三佳
1
,
青木 誠
1
1国立病院東京医療センター総合診療科
pp.486
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100624
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伝染性単核球症はしばしば経験する疾患であるが,咽頭・扁桃腺炎,とくにA群溶連菌感染症や,時にHIV感染症や悪性リンパ腫と類似した病像をとる.そのため,その鑑別に苦慮することもあるが,さまざまな臨床疫学的データも参考に,患者が不安にかられることのないよう早期に適切な診療と説明をする必要があると考えられる.しかし,本疾患において知られているさまざまな臨床症状や身体所見は非特異的なものも多い.
症例は31歳の男性.約2週間持続する発熱と咽頭痛を訴え,外来を受診した.身体所見上,発熱38.5℃,咽頭発赤,扁桃腫大・白苔付着,軟口蓋点状出血(表紙写真),両側後頸部のリンパ節腫大を認めた.臨床的に伝染性単核球症を最も疑い,経口摂取不良のため入院となった.
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